2/24の主張 文は田島薫
(矛盾的民主主義について)
米国ブッシュとその周囲の新保守と呼ばれる国防省グループは
テロを防ぐためにも中東を「民主化」したい、と、その手始めとして、
イラクを攻撃、フセイン体制転覆を望んでいるという。
フセインのテロ組織支援疑惑だとか査察妨害とか、さしたる証拠もない
理由で強引に武力で制圧してしまう気のようだ。
イスラエルのパレスチナに対する非民主的制圧には、目をつぶり、湾岸戦争後のイラクへの非人道的経済制裁で治療を受けられない米国の
劣化ウラン弾による白血病などの百数十万の子供が死んで
(イラク発データ)も、それは米国のせいではなく、悪いフセインのせい
だと言いたげだ。
だいたい、イラクを力でねじ伏せた後、今度はイランを攻撃して、周辺アラブ諸国も武力で威し、中東は民主化できると、本気で考えて
いるのだろうか。民主化って、結局米国に都合のよい支配地づくり、と
いうことではないのか。
しかも、各国の意見の集約であるべき国連の決議は、無視してもいいと
考える民主主義って、何だ。
民主主義というのは、単独の利益のみで動いてしまいがちな人間の限界に
多数が相互に話し合い、意見し理解を深めて決定していく、といったもの
のはずだろう。
限り無い自由とか民主化とか、正義とか言ってるうちに、ブッシュは独裁者に近づいていないか。フセインを誰が批判できるのだ。
今の米国のやり方は、まさに帝国主義の復活のように見える。
国連決議を守るか無視するか、ここが、決定的分岐点だ。日本政府の態度にも、我々もそこを、よく監視していこうではないか。