連載●文はクボユーシロー
貞熊遺伝研究所11
(天の使い4)
地球は今、イラクの問題と北朝鮮の問題でかなりきな臭い状態になって
いる。しかし前回も書いたが、今まで『天』は人類の抗争に全く関与し
てこなかったと言い切れる。40年間、向こうからは『仲裁』も含め一切
の指令は僕のところに無かったし、別の誰かが『天』の指令に基づいて
工作してると言う『うわさ』も伝わってきたことは無かった。
では、『天』とは一体なんだという疑問が君たちにでてくるのは十分理
解出来る。だが、それに答える前に『天』からの指令について書く。
まず指令の方法である。『天』は時々、我々に指令を伝えてくる。はっ
きり言って、その伝達方法については僕も上手く言えない、というか人
類が行っているあらゆるコミュニケーション形式と違うからである。
人類には昔から洋の東西を問わず『予感』、『気配』、『胸騒ぎ』など
眼には見えないが何かを感じるという能力が微力ながら有るらしい(地球
上の生物にはこの能力が発達し、生存していく上に不可欠な能力になっ
ている種もいるという)。『天』は彼らの意図をダイレクトに我々に伝え
る為、人類の持つその能力に着目したのだろう。今、『天の使い』とし
て地上に散らばっている者たちとりわけ人類(人類以外にもいるらしい)
に対して『その』能力の部分を『天』が少しいじったらしい。簡単に言
うと、その部分を『天』の指令を聴く専用『高性能レシーバー』に作り
変えたようである。(日常の生活には全く使えないようだ)
伝達方法について少し理解してもらえたか。次回も『天』の指令方法に
ついて書く。 つづく