今週の感動 文は佐怒賀豊
ソノ世界的イラストレータ・サニーはココアメンバーですが、
ふだんのアート作業を栃木でやっていて、そこからの田舎だよりです。
今回も去年の春に来た1年ぐらい前の「今週の感動」。
欅の木が伐られたそうですね。残念です。
住んでる周辺一帯の大将であり見守っていた欅の木が伐られたことは、理由があるにしてもやはり寂しい限りです。
初めて田島さん宅にお邪魔した日を思い出します。
確か陽だまりが恋しい初冬の頃、駅より息を上下させながら辿り着いた坂の上だった。左側にかつて流行ったスペイン壁とでも言うのだろうか、
随分昔の秀和レジデンス風白壁のお屋敷がある交差点からの眺めが好きになった。
これから坂を下り、手入れの行き届いた庭木を眺めながら数分で田島さん宅に到着する。目印のバレイ教室の看板を右に曲がるなり、そこから遠慮なしに落ち葉のロードだった。
そう今回伐られた欅の木の落ち葉。それほど派手ではなく威圧感もない欅の木だったが、立派に風景を創ってくれ彼一本で周辺一帯を和ませてくれていたように感じた。
コンクリートやタイルばかりの建物に確かに“水分”を与えてくれていたと思う。その彼を見上げながら初めての田島邸からギターの音が流れるのを心地よく思いながら
インターフォンを押したのでした。
季節になれば毎年々近所の人たちの早朝の仕事になっていただろう落ち葉の掃除はもう必要がなくなってしまった。きっと同じ思いだと思う。
モルタルの家は1週間で出来て1日で壊せる。
最近自分で加工している材木の残りが気軽に燃やせなくなっていたのも
案外そのへんがあったのかも知れない。なんて思いました。
桜酒を楽しみにします。