9/3の主張
            文は田島薫



(想像力について)

友人と戦争や、暴力などの世相批判なんかをすると、よく、

相手の立場を考えられない無知な人々の想像力の欠如が諸悪の

根源なのだと、したり顔で言い放っておしまいにすることが

よくあった。


ところが先日、ふと気が付いた。

人を怒らせるときのことはよく意識していたけど、


私もけっこうよく人に腹を立てているじゃないかと。

実際に人の立場でものを考えるっていうのは、一度腹を立てた

人間には難しい事なのだ。


で、自分で長年の間ものすごく腹を立てていた(殺意さえ感じた)

くだらない事例でシュミレーションしてみた。


けっこう怒りって個人的なことが多いので、私の例は

ぴんと来ない人もいるだろうけども


ある日大急ぎで駅の階段を駆け上がって、人並みをすり抜け

ようとした私に体を寄せて突き返した大男がいたのだ(2回もだ)


彼の立場を考えるのは不可能だと思った次の瞬間、分かったのだ。


彼は大学でラグビーをやっていたのだ。突進して来る人間には

反射的に押し返してしまう。あの時もよく気をつければ、

いたずらっぽく得意がった男の顔があったかも知れないのだ。


未来の子供には具体的にいろいろ想像する教育が必要なのかも。


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