7/17の主張
            文は田島薫



(品について)

きのうCBSニュースを見てて、メル・ブルックス(だったかな)

がゲストで、このほどブロードウェイで複数の賞を受け、

それのながれでインタビューを受けてるんだけど、

一般に下品と言われる表現をする彼(例:西部劇のカウボーイが

いつもマメとコーヒーだけの食事をしているのを、盛大な「へ」

の饗宴で笑わせた)にインタビュアーは自分も率直に表現する

ことが彼と解りあえる近道と考えたらしく、75才の彼に、

いきなり、「あなたはこれが最後の仕事とお考えですか」と

聞いた。メルはあきれた顔ではははと笑った。(私も)

インタビュアーは少しあわてて、「だって、下る一方ですよ」

と言った。

多分、これはインタビュアーの「ギャグがすべった」というところ

なんだろう、しかし、凡庸な本心があらわではなかったか。

際限のない芸術の追求にまだ20年使えるかも知れないと考える

のが芸術家であって、

もう若くないから、これから世間に受けることは難しいはずだと

考える自分のレベルで人を決めつけるインタビュアー。

これはかなり下品じゃないかな。

でも、下品な人をみんなほんとは、大好きなのだ。

だって、おかげで自分が上品だと思えるからね。


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