12/25の主張 文は田島薫
(経験論ついて)
ものは経験だとか、経験してみなけりゃ分からないとか、
人はよく口にする。確かにそれは言えることだと思うけど、
たいてい人は自分と同じような経験をしたものは、自分と同じ感想を持つはずだと考えているように見える。
でも、ふたりの人が同じ経験をしたからと言ってふたりが同じ感想を持つとはかぎらないのだ。
人は自分に感心のあるものしか見たり聞いたり記憶したりしないものだと言うし、
それに、たいてい、経験と言われるものは日常的生活の中で、
誰もがやっている事のバリエーションと言った事がほとんどでは
ないかと思うのだ。
例えば茶道、挨拶をかわして、畳みに座り、作法にのっとって、お茶を飲む。
これは、実際そう言う会で、やって見なければ、その難しさは
分からないだろうけど、茶道をやる気持ちだとか、心と言った
ものは、やらなかったものには全く理解できないことだとは
言えないのではないか。
些末な個々の経験にこだわり過ぎるより、想像力を駆使することがまだまだ、われわれには大切な気がするんだけど、いかが。