5/13の日記          文は田島薫



私は自分のことをけっこう愛想のいい人間だと思っていたりする

のだけど、たまに、恐いとか、不機嫌そうにぶすっとしている

などと言われることがあるので、以前、自己観察してみたところ、

人への態度が気まぐれで、あまり相手の気持ちを考えないことが

多いことに気付いた。


それで、とりあえず、目に親愛の気持ちをこめたあいさつとか、

店で何か買って、包んでもらった商品と金を交換する時など、

「ど・う・も」と言って、感謝の気持ちを示すことをこころがけて

いるのだが。


先日、スーパーでレジに並び、自分の番になったら、レジの店員が

「こんにちは」と言った。こういう場所でこんなことはめずらしいので

あわてた早口で「こんちゃ」と答えた。


彼女は「いつもありがとうございます」と言う。こっちはもぞもぞと

「い・いえぃ・え」などと言いながら彼女の名札を見ると、○○チーフ

と書かれてある。お世辞の話しでもしかけられたらやだなと思って、

顔を見ると、控えめな感じのいいお愛想笑いで、それ以上はなかった。

無事「どうも」と言ってその場を離れた。


酔うと世界中が友達みたいな気になるくせに、しらふの私はけっこう

人との間合いを気にする内気者なのだ。



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