7/22の主張             文は田島薫



(正義の残念さについて)

東京駅構内のコンビニで店長が万引きした男を追いかけて、男に

刃物で刺されて亡くなった。


万引きは550円分のパンとおにぎりなどだったそうだ。

万引きは犯罪だし、犯罪者は捕まえて罪を糾弾する。と言うのは

当然のことで、店長は正義感のあるりっぱな人だ。と言える。

でも、少し残念だったところを人は学ぶべきじゃないか。


大のおとながパンとおにぎりを万引きするって、どう言う

ことか考えたら、だれでも気が付くのは、多分彼は「食事をする

金を持ってない」って可能性が大きいわけだ。


「人間は食事をしなければ死んでしまう」と言う極限の事実を

突き付けられた人間にとって、一個のパンの重みは大変なもんだろう。

彼にとって、死ぬか生きるかほどの問題と感じていたとしたら、

追って来た人間を排除することは彼にとって、緊急避難的当然の

行動だったとも言えるのだ。


食事を盗む人間はとりあえず、許してもいいんじゃないか

まず、喰わせてやろうではないか(空腹の生き物は危ないし)。

説教はその後だ。


それに、そんな人間を咎めると言うことは究極の立場の人間と対峙

する覚悟をすると言うことなのだ。

命をかける問題かどうか、考えよう。

時には見てみぬふりのやさしさと言うものもあるはずなのだ。

乱暴な意見に聞こえるだろうか。



戻る