8/19の日記          文は田島薫



先週は一泊で両親の住む茨城に行って来た。

帰りの日、おふくろは額に汗してすりばちいっぱいに草餅を

こねていた。


おふくろは料理はあまり得意ではないのだが、時々、思い付いた

ように何かを作りはじめたりする人なのだ。

そんな時はそれをおみやげに持たされる確率が高い。


食べきれないから少しでいい、いやいやもっともっと、といった

押し問答がよくあるパターンで、その後必ず、じゃ中崎さん(仮名)

にも持ってってやろうという話になる。


中崎さんは私の家のそばに住む今年86才の婦人で、おふくろが

40年前まで私のいる場所にいた頃(?)、仲がよかったのだ。


今は結婚して近隣にいる子供たちが時々来るけど、1人で小さな

家で生活しているしっかりものなのだ。



おふくろからだと、だんごを持って行くと、生活に困っているわけ

でもない彼女は、おふくろの作った不細工なだんごを口に入れながら、

喜んで、涙ぐんだ。


いや、あまりのまずさにだったかな。



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