3/15のねこさん 文は田島薫
なんとなくついてくる
きのうの晩、食事の用意もでき、一応、1階のチェックに行き、玄関開けて、
「段ボールキャットハウス」にむんがいるかどうか調べてから、星明かりと
街灯なんかで明るくて気持よさそうな庭に出て、家の前の坂を登って行くと、
庭にいたバットと、そばのアパートの駐車場にいたパネが、間合いをとりな
がらついて来る。かまわず坂の上まで行き、空をながめてると、ねこさんた
ち、少し離れたところからゆっくりこっち向って来るようなこないような。
深呼吸のひとつして、さて、って今度は坂を下って行くと、ねこさんたち、
自分たちを通り過ぎるのを待ってから、動きだし、私が庭についてふりむく
と、今度はどんどんこっちへやって来る。
いやいや、ごはんも食って、さてど〜すっかね、なんかおもしろいことない
かね、お、あっちから、あおばさんじゃない方が出て来たね〜、どこ行くの
かな、ま、どこ行ってもかまわないんだけど、ひまだし、どこ行くか見てみ
っか、あんまし、近く行くと、ついて行くのがばれちゃって、あれ、自分の
ことが好きなのかな、って勘違いされちゃやだから、離れたとこから、別に
あんたの後ついてくんじゃなくて、たまたまこっちに用ができた、って感じ
にすっか、あれ、も〜もどって来ちゃったぞ、家の方に急になんかおもしろ
いことはじめるのかもね、じゃ、気づかれないように、行ってみっか。