4/13のねこさん 文は田島薫
待ってるパネ
パネはむんにいじわるされる小柄なバットのことをいつも気にかけてて、夕
方になると、玄関前で寝るむんの前を通らなければならないバットと、いっ
しょにベランダの段ボールキャットハウスへ行こうと、庭の入口の草に座っ
て道路の向こうを見て待っている。きのうもバットの方はむんのいないうち
にとっくにベランダに上がって寝てるのにそうして待ってるんで、私がパネ
のそば行って、言葉にしたり手でジェスチャーして伝えようとしても耳をか
さないで、暗くなるまでずっとそうしていた。
あいつ、まだ来ないか〜、遅いな〜、しょーがないな〜、ま、きょうはそん
なに寒くもないから坂の上の別宅で寝るつもりなのかな〜、そっちにいるの
かちょっと見に行ってみっかな、しかし、ぼくが行ってみてそこにあいつが
いなくて、あいつが違う方から帰って来るのに、ぼくが気がつかないよ〜な
ことになったら、あいつがいじわるなあいつにいじめられちゃうかもしんな
いから、ちょっとここは動けないね。あ、おばさんじゃない方が来てなんか
言ってるね〜、なに言ってんのかわかんないから、ほっとこ〜。