1/14のねこさん 文は田島薫
パネが、思わずおかえり〜
さっき、事務所の外を見た時、ちょうどパネが小走りに道路の方へ向かった
のが見えたんで、どこ行くのかな?って見てたら、物置きの死角で見えなく
なったんだけど、その向かった方向からむんが歩いて来るのが見えて、こっ
ちも物置きに隠れたんで、玄関から出て物置きの向こうの道路を見ようとし
たら、パネだけ向かってた方向に歩いて来てから立ち止り、なんだか、あた
りのにおいをかぐようなまねをしてて、パネとすれ違った位置ぐらいの物置
きの裏の道路の向こうへりにむんが座ってるのが見えた。
いやいや、昼寝してんのにも飽きたね〜、だれかとふざけっこでもすっか〜、
お、あっちから、仲間のだれか来たね〜、お〜い、とととと、つって近づい
たんだけど、こんにゃろ、ぼくのわきをふつうに通り過ぎちゃったね〜、こ
れだと、ぼくはこの後、ど〜したらい〜つーんだ、え〜と、とりあえず、ぼ
くはこっちに用があったんだ、そ〜だ、だから、急いでたんだ、そ〜なんだ
かんなばーろー、だから、こ〜このあたりの草のにおいを調べよ〜、ってし
てたんだかんな、くんくん、くんくん、ん〜ん、ここじゃなかったかな〜、
じゃ、しょ〜がない、いったん、庭の方に戻ることにすっかな〜。