6/10のねこさん 文は田島薫
ベランダに来たパネ
パネはわが家に入り浸るねこさんたちん中で一番落ち着いてて、ニケのようにい
つも人につきまとってかまってもらおうとするんでもなく、むんのように家人以
外の人が近づくと逃げるんでもなく、わが家から離れたり庭に来たりいろんな場
所でひとりだったりバットといっしょだったり、いつも勝手に寝転がってるのに、
気がつくとにいつのまにか私のそばに来てこっちを見てたりもする。
先日の晴れた遅い午後も2階のベランダのガラス戸越しにめずらしくパネがいる
のが見えて、こっちの部屋ん中をのぞきこんでる。以前同様のことがあって、ガ
ラス戸を開けてたらどんどん家ん中へちゅうちよなく入り込んだことがあったん
で、そばへ行って、ガラス戸は開けないで顔を近づけてみると、パネも顔を近づ
けてなにか言いたそうな顔をしてガラス戸を前足でたたいてみたりしてる。
いい天気だもんで、歩いてんのが気分い〜もんで、歩きまわってたら、なんとな
くここ上がって来ちゃったね〜。あ、そ〜だ、ここん中にいろんなもんがあった
なだよな前に入った時にさ、そのうち来た時とちがう階段があったんで下りてっ
たら、またちがう場所があって不思議だったんだよな〜、で、気がついたらあっ
と言う間に外の元にいた場所に出てしまったんで、いやいや不思議不思議、じゃ、
また入ってみっかな、あっと、入れないみたいだね、あ、ぼくのダチの人がいて
こっち見てるね〜、はやく開けてくで〜、ど〜したどした。開けてくんないのか
な、ど〜してどして。開けてくんないんなら、も〜いっか、こん中がそんなにお
もしろいわけでもないし、ほんとは外の方がず〜っと好きなんだしぼくは。