12/30のねこさん        文は田島薫

パネがじっとこっちを


2階のベランダに上がって来るのはニケばっかりだったのが、頻度の違いだ

けで今ではねこさんたちは全員ふつうに上がって来る。中でも毎日ベランダ

に置かれたキャッツハウスで寝るようになったパネが一番多くて、朝起きて

玄関前でごはんもらった後も朝夕上がって来ては、時々家人がガラス戸を開

けひざに乗っけてくれるのを待ってるのか、ガラス戸の向こうに座ってこっ

ちの居間の私ともじっと見つめてる目と合う。じっとこっちを見てるんで、

こっちも見てやってると、パネも長い時間じっとこっちを見てる。


いやいや、きょうはおばさんこっち見たのにひざの上乗っけてくんないね〜、

ど〜したのかな?こ〜やって、きちんと顔をあっち向けて、おばさんがこっ

ち見た時、すぐにぼくが来てることわかるよ〜にしとかなくちゃ、って思っ

てずっとこ〜してんのに、おっかし〜な〜、あれれ、おばさんじゃない方の

がっこっち見てるね〜、こっちの人はいらないんだよな〜、おばさん待って

んであって、あんたじゃないっ、ばーろー、つっても、わかってないよ〜だ

ね〜、こんにゃろめがじゃ、つって、こんにゃろめにひざの上に乗っけられ

てみろ、死んだふりするっきゃないじゃね〜の、そっぽ向いちゃお〜かな、

いや、そっぽ向いてる時におばさんが、じゃ、って気になった時、目が合わ

なかったら苦労も水のあわんなっちゃうから、いちお〜、こんにゃろめには、

ちょっとこ〜、目をにらんどこ〜か。


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