7/9のねこさん        文は田島薫

ミケの夕涼み


きのうの夕方、家人と近所のスーパーへビールその他を買いに行く途中、稲荷神社

となりの奥の家へのアプローチの奥にそこの奥さんがほうき持って立ってたんで、

あいさつした。奥さんの足元にはミケが向こう向きに寝転んでいる。奥さんはこっ

ちへ歩いて来てから、ミケの方に向かって何度か呼ぶと、やっとミケはこっち向い

てよいしょって起き上がってこっちへ歩いて来て、われわれのそばの石段のそでに

乗ってぐた、って手足をぶらさげた。それをみんなでながめてから、奥さんがなん

か言いながらくびをなでるのを目をほそめてされるままにしてる。


いやいや、あいかわらずあち〜日が続くね〜、ま、それでも、ここは風が通って、

けっこ〜涼しい〜から助かんだよね〜、お、わたいのうしろのあっちの方のだれか

がなんか言ってると思ったら、おばさんがあっちの方へ行くよ〜だね〜、ふり返れ

ば見れるんだけど、めんど〜だからこのまんまでい〜や、って思ったら、おばさん

がわたいを呼んでるよ〜だね〜、聞こえないふりすっか、あ〜、おばさんにはばれ

ちゃってんね〜、しょ〜がないね〜、お友だちにあいさつしろ、って言うんだね、

はいはい行きます行きます。はいはい、こんにちは、つってここの石の上が涼し〜

んだったよね、よいしょ、で、だらりんちょ。


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