3/12のねこさん 文は田島薫
グレ・ザハンター
先週終わりごろの日暮れ前、わが家の山桃の木の枝2ケ所にハトの番いらしいのが来
て止まり、それからずっとじっとしてるのが、2階の居間の窓から見えた。
どうやらそこで一晩泊まるつもりのようだと思ってたら、日暮れになって、家人が、
グレが木に登ってる、って騒ぐんで、おっと、って2階の窓を開けてみると、ちょう
ど窓の高さのところの太い枝にグレがいて、さらに上の枝に前足をかけようとしてる
とこで、それと同時にハトたちは飛び去った。
グレはまだ獲物がいなくなったことに納得してないらしく、それからしばらく経って
ずり降りるまでの間、2本足立ちになって上の細い枝を前足でたたいてた。
お、なんだか木の上に鳥さんがいる感じだね、じゃ、いつもごはんもらってるお礼に、
それをつかまえておばさんたちにプレゼントしてやっかね、ぬきあしさしあし、って、
そ〜と登ってって、もう少し上だね、あ〜、この上にいそ〜だね、も〜ちょいだね〜、
だいぶ高いとこにきちゃってるけど、気にしない気にしない、ほれ、ほれ、あれ、れ、
いなくなちゃってるのかな、おっかし〜ね〜、ここに、いるんじゃね〜の〜、おっか
し〜ね〜、いたのにね〜、おっかし〜ね〜、いないかな、あれ〜、ここにいたのに〜、
おっかし〜ね〜、へんだね〜