10/9のねこさん 文は田島薫
ニューヨークのねこさん
ここんとこわが家にはねこさんたちがしょっちゅ〜いるんだけど、3週間ぐらい前に
ニューヨークで会ったねこさんの地味〜な話を。
晴れた朝、ニューヨーク郊外の駅へ向かうゆるくカーブした下り坂を家人と歩いてる
と、小さな花壇をのついた白い小さな家が並んでて、そのひとつの花壇の向こうの縁
側のようなところに白っぽいねこさんが4ひきぐらいくっついて眠ってるのが見えた
んで、あ、ねこさんだ、ってわれわれは立ち止まったら、その中の1ぴきだけが、こ
っちへふり返ってそのままじっと固まっている。われわれは、よ、とか、元気?とか
てきとーなこと言ってから、固まったねこさんを置いて歩きだした。
いやいや、こ〜やってみんなでくっついて寝てると、しゃわせ感じるね〜、この花の
香りと、あったかいお日さま感じてると、も〜、オラたちはなんにもいらないね〜、
ごはんはもらえないと困るんだけどね。も〜、それさえもらえたら、も〜、ウィ ア
ー ハッピー、でんがな。あれ、なんだか聞きなれない言葉しゃべってるのがいるね、
だれだ、お、こっち見てるね〜、異人だね〜、なんだって?アー ユー ハッピー?
って言ってんのかな?なまりがひどくて聞き取れないけど、いちお〜、目で返事して
おくか〜、ウィでんがな、ウィ アー ハッピー、でんがな。エブリスィング オッ
ケー、でっせ。