3/28のねこさん        文は田島薫

見張り塔からずっと 3


先週の土曜日の午後、家人と自転車で食料の買い出しに行く途中のねこよこちょう入口

角の家の庭。ねこさんいるかな、ってテラスの方を見ると、もう何度見たかわからない

ぐらい定番のカタチ、テスリの上に黄とらが背中をまるめていた。最初顔だけ向こうを

向いてたんで、ふたりで、ちょっちょっ、って舌で合図したらふり返った。よ、ってふ

たりで手上げてあいさつしたんだけど、じっとこっちを見てるだけなもんで、そこそこ

でわれわれはペダルを踏んだ。


さて、いつものよーに日なたぼっこしながら、ためじろーの帰って来るのを待つことに

すっかな。しかし、いろんなとこで試してみたけど、けっきょくここだな、一番よく見

えるのは、こないだは階段の上でも目立ってい〜かなって思ってたんだけど、あとから

近所のあいつが来て、前の台の上で寝そべったもんでなんにもなんなくなっちゃったし、

ここなら、うんと向こうまで見えるから、ためじろーが来たのもよくわかるし、もし、

じゃまな方の近所のあいつがきた時は、こらっ、つって台の上に飛び乗れるし。しかし、

ためじろーもいつも表から来るとはかぎんないわけだから、たまにこー、後ろも見る方

がい〜んだよな、つってると、表の方でだれか来たよ〜だね、ためじろーか、おい、つ

ってふり返ってみっと、いつものあほずら2人組。見て見ないふりしとこ。


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