12/7のねこさん        文は田島薫

箱から出られない 3


先週の日曜だったかのかなり寒くなった夕方、家人と近所のスーパーへビールその他を

買いに行く途中の稲荷神社となりの家の狭い庭。いつもねこさん入ってる何個かある発

泡の箱見ると、奥の1個だけにねこさん入ってるようで、それもミケの小さい方とグレ

ーのふたりで入ってる。いつもはひとり1個がふつうなんだけど、グレーがミケんとこ

おじゃましたようだ。われわれは垣根越しのそば行ってから、よ、って声かけたら、グ

レーだけこっち見てるんだけど、目がうつろでこっちを見てるよ〜な見てないよ〜な。

しばらく、よ、とか、おい、とか言っても動かないグレーを確認してから別れた。


いやいや、きょ〜はさみ〜くてまいったまいった、も〜、こいつんとこにくっついてる

に限るね、ん〜ん、ぬくいぬくい、ぬくくてにくいね〜、こいつめ、こんな日は、も〜、

ぼくはテコでもここから動きませんよ、じつに、ってなこと言ってるて〜と、またあの

間のわるい2人組がいつのまにかそば来てなんか言ってるよ、おいおい、呼んだって出

て行かないよ〜、ばきゃろ〜、って、はっきり言っちゃうと角がたつから、いつものよ

〜に、聞こえない見えないふりしちゃお〜、お、きょう〜は目の調子がわり〜な〜、あ

れ〜?こっちの方に目やってもなんにも見えないね〜、あり?音も聞こえないし、しょ

〜がないね〜、こ〜なったら、も〜昼寝するのがい〜よ〜だね〜、ってか。


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