10/13のねこさん 文は田島薫
食中食後の風景
きのうの祝日の陽が傾いた頃、家人と近所のスーパーへビールやなんかを買に行った
帰りの稲荷神社となりの家の狭い庭。奥の発泡の箱ん中ででかい方のミケがごはん食
ってるらしく、でかいだ円の毛玉がゆれている。そのすぐ手前の発泡の中じゃ、グレ
ーの少し小ぶりの背中がゆれてる。見ててもだれもわれわれに気づかないようなんで、
行こうとしたら、垣根の外の奥の家のアプローチの階段の奥に小さい方のミケが寝そ
べってたんで、お、よ、ってふたりで声かけたら、ちらっとこっちを見てからすぐに
自分の足下に視線をはずしてじっとしている。また、よ、おい、などと言ってみると、
また、ちらっと、見てからしらんぷりしてる模様。
いやいや、みんなといっしょにごはん食いたいと思ってたんだけど、なかなかみんな
帰って来ないもんで、と〜と〜がまんできずにごはん先食っちゃったら、またわたい
ひとりの食後、ってことで、ここでくつろいでる、ってわけなんだけど、ど〜にも心
ぼそいね〜、こないだもひとりん時目の前に怪しい2人組が急に現れてびっくりさせ
られちゃったし、って言いながらなにげなく不吉な気配の方見てみっと、おっとっと、
見ちゃいけない見ちゃいけない、なんにも見えなかったなんにも見えなかった、だい
じゃぶ、垣根のすぐ向こうのみんなが食い終わったらこっち来るはずだから、それま
で持ちこたえればだいじゃぶだいじゃぶ、なんか声が聞こえるから、ちらっ、っと見
えない見えない、怪しい2人組は見えない見えない、ぜ〜んぜん見えない。