4/11のねこさん 文は田島薫
つーとんVS黄とら
計画停電で品薄の納豆が売り切れる前に、って土曜の午前中自転車で買い出しに出かけた途
中の日曜、陽が傾きかけたころ、図書館へ自転車で行った帰り、ねこよこちょう入口角の家
のテラスの方をのぞいてみると、テラスの手前の地面で後ろ向きのつーとんが何かを食べて
いた。そこへ、そのさらに手前の植え込みの陰からちょうど入って来た黄とらが、つーとん
に気づいて立ち止まり、見つめてると、気配に気づいたつーとんがふり返り、黄とらを見て、
しばらくにゃ〜にゃ〜言ってから、小走りにテラスに上がり、ガラス戸のそばでうずくまっ
た。それを見た黄とらはけっこう元気よくテラスにかけ上がった、と思ったら、一瞬立ち止
まってからそのまま裏の階段をかけ下りて行ってそのまま姿を消した。
ためじろーがまた、奥さんにエサ出してもらおうとしてないかな〜、そしたらぼくもびんじ
ょうしてごちそうになっちゃおう、って思ってると、お、すでにエサもらっちゃってるか〜、
しかも、気心知れたためじろうのやつじゃなくて、気心知れない新人のあいつだ、これだと
びんじょうのタイミングはずしちゃったね〜、あれ、あいつ、さかんになんか言ってるね〜、
あんだって?エサ今食べ終わっちゃったとこだ、って、残念だね、もっと早く来れば、君に
も分けてあげられたんだけどね、だって?うそつけ!食べ終わっちゃってラッキーって思っ
てるくせに、返事しないで、にらみつけちゃおう。じー、だ。ほら、ぼくがあんまり返事し
ないもんだから、不安になって逃げだしたようだね、こらっ、待てー、ってあれ?テラスの
上のガラス戸の真ん前、そっか、あいつは奥さん恐くないんだった、おっとっとっと、やば
い、あれ?どーゆーわけか、ぼくの足が自然にどんどん前へ動いて行く〜。