11/15のねこさん 文は田島薫
墓地のしろ
茨城に来て、親父の葬儀と納骨のため近所組合の世話を受けることになり、骨つぼを入れ
る所の石をどかすためにバールを用意できるはずと伝えてたのに、それがみつからず、親
の家の近所の墓地へママチャリでかけつけ、手で開けられるかどうか持ち上げてみたら、
やっぱり難しそうなんで、大急ぎで戻り、作業具小屋の中を代わりになるものないか探し、
両手で持ってはさんで切る枝切りはどうかと、それをまたママチャリにつんで墓地へ、行
き、それでやってみたら、オヨビデナイ、じゃ他の組合員にたのむか、ってまた大急ぎで
戻ろうとして道のわき見たら白ねこがゆっくりこっちを見てた。
ぼくは墓地のしろなんだけど、墓地は年に何度かは人が大勢来るもののたいてい静かなも
んなのに、なんだか、自転車乗って大急ぎしていったり来たりしてる人見んのはじめてだ
な〜、落ちつきのない人もいるもんだね〜。きっと、おっちょこちょい、って言う種類の
人なんだろうね〜、やだね〜、みっともないね〜、あ〜はなりたくないね〜、だからぼく
は、ねこでよかったな〜。あの人も今度生まれ変わる時はねこにしたらいいんだね。