10/3のねこさん 文は田島薫
白ねこおくさん
先週、おふくろに教えてもらってねこさん探しに行き、新しい小さな家の縁側にちゃねこ
さん見てから、その細道の先を行くと、道は左にカーブ、右手は広々とした畑に視界が開
け、左手は古い農家の質素な家が並んでいた。その何軒めかに、道に沿ってカーテンを引
かれたガラス戸になった家があり、その左手前の納屋との間に小さな庭があり物干竿に洗
濯物がかかってて、そのわきに白い小さな母ねこさんがいた。母ねこさん、こっちに気が
つくと、ちょっと落ちつかないようだったけど、その場へ腹ばいになって、こっちを気に
してるようだった。しばらくそれをながめてから、さらに先へ行き、また戻って来たら、
もう母ねこさん庭の一番奥へ行っていて、ひと仕事終えた風情。
わたしゃこう見えても、子持ちのおかあさんなんだよね、もう子育て大変だった〜、っつ
っても、産んでそんなに経たないうちにいつのまにか、みんなどっかへもらわれて行っち
ゃったようなんで、ほんとは、あれれ?って間にヒマになっちゃったんだけど。
しかし、子供を母親のわたしに相談もなく勝手にどっかへ持ってちゃう人間って、かなり
しつれーなんじゃないのかね〜。ま、わたしにエサをくれてるんだし、子供の分まで工面
すんのは大変なんだろうけどね〜。
で、わたしはさびしー気持ちなんだね〜、さびしーけど、さっきエサ腹いっぱい食べたら、
んこ、したくなっちゃって、しよ〜かな、って思ったら、この人が見てたんだよね〜、で、
さびしーのに、んこか〜?、って思われるのやだから、この人行っちゃうのを待つわたし、
まだかな〜?も〜行くかな〜?あ、行った行った、んこんこ。