10/27ののらねこ 文は田島薫
朝1のシャンさんが出勤した時はお客さんはだれも来なかったそうだった。朝2番のクボセンセーが来た時にやっとまだらとブラウンがやって来たので、
エサを出したのだけど、ほとんど食べなかったようだ。
最近は一階のエサやりレディの他にうちの事務所のある建物の向こう側の路地からエサの皿を持った新人のオヤジが顔を出して手招きしてたらしいから、
やっぱり、お客さんたちはうちの事務所のへ来る前に美食を食べちゃっていた
のだろう。
先週酒のつまみの残りを追加した柿の種は受けが悪く、いつまでも減らないし。シャンさんの意見ではわざと皿の下からそれをかき出して見えるようにして
抗議しているんだろうって。
クボセンセーは奥の手のまたたびを出すことにして、使いかけの小袋から小皿にあけたら、ほとんど中身がなく、水でゆすいでうすーい液にして、ブラウンに
出してやったら、ブラウンはそれを見ながら考えこんでいたそうだ。
いつもならぱーっと寄って来て横取りしてしまうまだらも、ちらっとそれを見て
ふん、と言って向こうへ行ってしまったが意を決したブラウンはなめ始めた。
しかし、そのなめ方はものすごくゆっくりで、まゆげは八の字だったようだ。
このままだと、うちへ来るお客さんはいなくなってしまうかも知れない。
これからは食事の他にお客さんへの別のサービスも考えないといけないのかも、
…マッサージとか。