11/4ののらねこ         文は田島薫




朝1のシャンさんが出勤したら、まだらとブラウンがおそろいでやって来たので

エサを出してやったところ、ふたりともちょこっと食べるふりをしただけだった

ようだ。

やっぱりこの近所のねこ食料事情は北朝鮮よりよっぽどよさそうだ。

天気もいいしまだここんとこ暖かいし、みんな余裕の顔つきで気持ちよさそうだ。


さっきは、となりの建物のベランダの座ぶとんの上で昼寝してたブラウンが、

もう事務所のドア前まで上がって来てクボセンセーのねこじゃらしで踊っていた。


その彼はまたちょっとすると、下の塀のねこけもの道のこっちにいて、

向こうの端にいるバットマンと見合っていたかと思うと、つつとそっちへ行き、

ぽんぽんと遊びのネコパンチをしあって、すぐにふたりとも止めにした。


郵便を出しに下へおりると、道路の向こうには若とらが座って瞑想していた。


事務所に帰って来ると、今、肥満のくろとらが私に気づいて隠れたところだと、

クボセンセーが言った。


つーとんはほんのたまにしか顔を見せない。

みんな下でうまいもん食べちゃって、どっかでくつろいでいるのだろう。

このごろじゃわれわれの方に来るのはほんの気分転換なのかも知れない。


先々週はがりがりに痩せた、新人のこねこが来たのでマッサージしてやったけど、

それっきり来ない。(…マッサージがいけなかったか)

でもまあ、みんな気楽に来てくれるんだから、いんだろう。


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