4/30のねこさん 文は田島薫
気まずいバット
先週末ごろ、私が最寄り駅向こうの業務スーパーなどで買い物して
家の前の坂上の方から帰って来て坂の途中を見ると、いつものねこ
好きおやじさんが坂の階段に向こう向きで座ってて、そばにバット
も寝転んでなでられてるとこで、私が下りて行くと、バットがふり
返って、こっちをなにか言いたそうに見てるんで、よ、バット、と
だけ言い、おやじさんとあいさつ交わして通り過ぎた。
あ、わたいんちのあんにゃろがどっかから帰ってきたみたいだね、
このおじさん、いつもわたいを呼ぶんで、なでられててもそんなに
おもしろくもないし、うるさいっ、って言って逃げちゃってもいい
んだけど、わるい人でもないし、あんましご近所の人に角たてちゃ
いけないと思ってつきあってやってんだよね、ってことで。