1/9のねこさん 文は田島薫
バットはひだまりへ
朝、居間のベランダ側のガラス戸のブラインドを開けるとたいてい、
バットがこっちを向いてガラス戸を開けてくれるのを待ってる。
床に新聞紙を敷いて開けるとすぐに上がって来て新聞紙に乗るんだけ
ど、冬の朝日が当たってるのは入口近くよりもっと奥の反対側の壁近
くなんで、そっちへ行くそぶりをするんで、バットごと新聞紙をそっ
ちへ引っ張ってって、ちょっとブラシしてやると、寝転がる。
お、開けてくれた、よし、よいしょ、と、あれ?あんまし、あったか
くないね。そだ、あっちのあかるくなったとこのがあったかいんだ、
そっちへ行こう、って思ってたら、自然にそっちへ行けたね、ふしぎ
だね、ふしぎだけど、らくちんで気にいったね。お、からだこすって
くれんだね、これも気持いくて気にいってんだよね、よし、やれっ。