5/29のねこさん 文は田島薫
むん、よそんちでくつろぐ
きのうの午後、遊びに来てたいちばんやんちゃな小学女子がだまって
どっかへ行っちゃったんで、わが家のある1ブロックをひと回りして
たら、坂の上の無人の家の敷地アプローチの奥の玄関前で、いつも1
人で行動する無愛想なむんが大また広げて足の毛づくろいしてるのが
見えたんで、声かけたら、足上げたまま、こっちをじっと見てから、
また作業を続けた。
いやいや、ここはしずかでい〜ね〜、あっちの家はなんだかいろんな
のが来て大騒ぎしてっから、あっしは、も〜、ごはんの時だけしか行
かないことにしてんだよね。こ〜、のんびりひとりで、足をぺろぺろ、
ってしてると生きててよかったー、って思うんだよね、こ〜、ぺろぺ
ろ、ってしてっと、ん?、あっちに見たことあるのがこっち見てなん
か言ってるね〜、うるさいね〜、い〜や、ほっとこー