5/22のしゅちょう
            文は田島薫

(戦争を止める方法、について 55)


わが国の首相が議長を勤めるG7サミットが広島で行われ、今戦争当事国

であるウクライナのゼレンスキー大統領も急きょ特別参加して、軍事侵攻

したロシアを非難したり、台湾に同じことをしそうな中国を念頭に、武力

による現状変更は許されない、とか、プ−チン大統領の発言を念頭に、核

兵器の脅しは許されない、とか演説しあったり、ゼレンスキー大統領の熱

心な要求に応えてF16戦闘機の供与も認めるような話しをして勝手に盛り

上がってるのを、ロシアや中国は冷ややかに感じてる構図のよう。

だいたい、西側の仲間だけ集まって、ロシアや中国を敵視した決議や演説

をくり返し、それらに経済制裁を科したりウクライナに軍事支援したりし

てるだけで、現在進行形の戦争を止めたり拡大を防ぐ効果があるだろうか。

大事なのは、敵対関係の当事者を交えて、直接に批判するなら批判して、

それに対して、相手国がどう反応するかを見てからそれについて、また追

求なり審議なりを深めて、その敵対関係を改善していくような話し合いな

のであって、仲良しクラブ同士が空に向かって、敵対者への非難を叫んで

敵対感情を高めてただ制裁するだけなど、馬鹿げた行為なのだ。

西側同士は考え方や利害が一致することが多い関係なのだけど、それと違

う価値観や利害関係の相手との交渉抜きで一方的な決議したって東側諸国

が納得するはずはないのだ。

ハナから自分たちは民主主義の正義の側だ、ってアピールすればするほど、

その過去の西側による、今回のロシアの軍事侵攻と大差ないアフガンやイ

ラクやベトナムなどへの軍事侵攻の前科で説得力を失って行くのだ。

だから、正義をふりかざすのはお互いにやめにして、矛盾を孕んだままの

悩める同じ穴のムジナ同士という謙虚な態度で話し合ったらどうなんだ。

戦争やってても、ウクライナの方は正当性があるけど、ロシアの方は悪だ、

って決めつけるのをやめて交渉しないことには、正義、って美しいスロー

ガンで双方のリーダーたちを頑固にした思考停止をほっておいたら、罪の

ない人々の戦死や破壊、それに連動した食糧難で世界各地の罪のない億単

位の人々が飢え死にするかもしれないのだ。




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