5/22のねこさん 文は田島薫
とかげとニケ
さっき私が2階の居間にいると、ベランダにニケがとかげをくわえて
上がって来て、それを下に下ろすと、足でたたいたり、くわえたりを
くり返してるもんで、とかげの方は、下手に動くとよくない、ってわ
かってるようで、じっとしながら逃げるチャンスをうかがってて、今
か、って動きだそうとする彼を、そっぽ向いてたニケがまた足でたた
くもんで、また少しじっとしてると、ニケがそっぽ向いてる時に、私
が出て行って、牛乳パックの開いたやつで彼をすくって、とりあえず
手すりの台の寝そべってるニケの死角になるとこ置いてから、またす
くって下の植え込みの草の中へ放った。
こんにゃろをつかまえたんでここの人に見せてやろー、ここへぽんと、
落として、こんにゃろ、って頭たたいて、口で持ち上げてから、また
ぽん、って落っことして、動かなくなっちゃってるとおもしろくない
ね、死んじゃったかな、見てると死んだまねするかもしんないから、
ちょとちがうとこ見ながら、こんにゃろのことなんか忘れてしまいま
したよ、なんちゃって、るうちにここのあんにゃろが出て来たから、
そろそろ、また、こんにゃろ、ってやってみっかな、つってると、あ
り? …こんにゃろ…が 消えた。