きょうのしゅちょう 文は田島薫
(戦争を止める方法、について 48)
、
ウクライナへロシア軍が侵攻した時から72時間の経過を記録したドキュ
メントを昨日観たら、プ−チン大統領は、キーウを奇襲攻撃して数日間
のうちにゼレンスキー政権を倒して勝利して終結のつもりだったようだ。
戦車などで侵攻して脅かし、ウクライナに降伏させる、ってことは同じ
でも、ウクライナの反撃がなければ戦争にならなかったはず、と私は書
いたんだけど、いきなり他国が侵攻してきて武力攻撃を受ければ、反撃
するのはふつうの感覚だし、西側はゼレンスキー政権に国外退去を勧め
たのに、残って戦う意志を示した大統領が間違っていた、とは言えない
だろうし、勇気や誇りを感じた自国民や他国民も多くいたことだろう。
独裁政権のプ−チン大統領のロシアに征服されたら、独立国のウクライ
ナの誇りを踏みにじられる気分になったり国民は自由を奪われ暗黒の社
会生活を強いられることになる、ってイメージするウクライナ国民は多
いんだろうから、ゼレンスキー大統領の徹底抗戦に賛同した国民も多い
んだろう。
しかし、戦闘が始まれば、身内を戦場に送ったりする義務も出るし、家
が破壊されたり、家族から死傷者が出たりしてくるわけだから、実際に、
ゼレンスキー大統領の宣言後に、キーウ近郊の住宅地が壊滅したり、多
数の死者が出たし、その後1年経っても終わらない戦争で、数百万の難
民とウクライナ、ロシア双方に、万単位の死者が出て、それは進行中な
のだから、祖国を守る正義の戦い、なのだからやるしかない、って言っ
て済ますわけにはいかないだろう。
ウクライナ側が言ってるのと同じく、ロシア側もプ−チン大統領は本気
でウクライナも含めた大ロシアを、西側とつるんだネオナチ政権から取
り戻すための正義の戦い、と信じてるようなのだ。
西側から見れば、プ−チン大統領の主張はデタラメでただの侵略主義者
のそれに見えるだろうけど、プ−チン大統領の立場になって想像してみ
れば、ゴルバチョフ政権の時に西側の自由主義に歩み寄った後、米国主
導の西側諸国は自分が持ってると同じ大量殺人兵器を持ってる、って勝
手な憶測でイラクに軍事侵攻してフセイン政権を倒した前科があるのに、
西側の軍事脅威が隣国を侵食しだしてるのは、ロシアにも同じことをす
るんじゃないか、って危機感があるのだ多分。これは北朝鮮が西側にも
つ感想も同じはずで、西側は自分たちの仕業は棚に乗せて、中国も含め
た東側に対して、常に上から目線で、敵視したり非難したりしてるのが、
和平交渉の進まない根本原因なのだ。
西側諸国はロシアの非をただ咎めてるんじゃなくて、少しはその立場の
理解を示してやるところから話し合いを始めるのがいいのだ。
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