4/10のねこさん 文は田島薫
バットの営業
わが家に居着いたねこさんたちは朝と晩のごはんと、その間におやつ
ももらってるし、いつも器にはごはんが少しは残ってるんで、腹ペコ
の時はないはずなんだけど、時たま、家の前の道路にごはんやおやつ
持った人が来ると、寄って行ってもらってる。朝、私が2階ベランダ
でスクワットしてると、どこかのおねえさんがなにか出すのをおすわ
りしたバットが待ってて、かがんだおねえさんが立った後、静かに食
い始めてるのが見えた。
あ、おね〜さんがなんか持って来たみたいだね、ここの家のごはん腹
一杯食っちゃってから、だれかがうんまいもん持って来ると、失敗し
たなー、ってことになっちゃうんで、ここの家のはほどほどに食って
うんまいもん用にお腹を空けとくことにしてんだよねわたいは、さて、
なにを持って来てくれたかなー、あ、ここの家のと同じもんだったか
ー、じゃ、いらない、って帰っちゃうと、角が立っちゃうし、もしこ
この家の人がくれなくなった時に困らないように、ありがたそ〜な顔
で、ちょっとがつがつ食ってみせたりして。