3/6のねこさん       文は田島薫

うっしーうろつく


暗くなった頃、坂の上あたりに、ねこさんたちの母親のグレが待って

ることが多くなったんでごはん持ってってやるんだけど、先週のある

日、行くとグレはいなくて、そばのフェンスの向こうにうっしーがい

て、私を見てそばをすり抜け坂を下りて、わが家向かいのアパートの

入口のスミに置かれてたおやつを食ってる模様。すぐに食い終わった

ようなんで、私も持ってたごはんのひとつかみを置いてやると、ちょ

っとあとずさりして、私が歩き去ってふり返ると、食ってた。


あ、あいつらんとこのあんにゃろが来たね。いつも、なんだかおいら

のことをいつも迷惑そうに見てやがっからやな感じなんだよな、向こ

ーへ行こー、っと、お、おね〜さんがおやつおいといてくれたようだ

から、いただくか、ぺろっ、お、あんにゃろもなんだかしょぼいおや

つおいたね、せっかくだから食ってやっか、けっこーあんにゃろもい

ーとこあんじゃん、ぺろぺろりんっ。


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