3/13のねこさん       文は田島薫

グレは待っている


年が明けてからほぼ連日、日暮になるとねこさんたちの母親であるグ

レが、わが家の前の坂の上で待ってるのにごはんを出す。きのうも、

一度家人が行った時にいなかったんだけど、私が念のため行ってみる

と、坂の途中にネコカゲが、でもそれは寝転んでるバットだったんで、

グレはいないか〜、って思ったら、坂上の自転車置き場の端から坂に

グレ、が顔と声を出した。


あ、坂んとこにだれかいるね〜、行くとめんど〜なことんなっからあ

っち行けないね〜、ここで、見張ってればいっか、そろそろごはんが

こっちへ来るはずなんだけど、まだかな〜、じっとしてると、あっち

からわたいが見えないから、あ、いないんだ、つって帰っちゃうかも

しんないんで、心配なんだよね〜、そ〜すっと、はらべこのまま寝な

くちゃなんなくなっちゃうからね、どら、あっち見てみっと、おー、

来た来た、ごはんが来た、こっちだっこちだー、にゃろー。


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