2/6のしゅちょう
            文は田島薫

(戦争を止める方法、について 40)


ウクライナのゼレンスキー大統領は独立国ウクライナに他国のロシアのプ

−チン大統領の軍隊がいきなり侵略してきたのだから、祖国を守るための

反撃は当然のことだ、って主張してるんだけど、プ−チン大統領の方は、

ウクライナは元々はロシアの一部であり、独立は親ロシア派の政権を保持

する条件で認めただけのことで、それを、反ロシア派の過激な暴力による

クーデターで転覆させられたのだから、親ロシア派を守るためにも、軍事

侵攻は正当なものだ、って主張なのだ。

親ロシア派のヤヌコーヴィチ政権に反対する数万のデモ対が騒いだのがク

ーデターだ、って言うのは誇大判断だろうと思うけど、デモの取り締まり

がエスカレートするのと同調してデモ側もエスカレートしたわけで、どこ

からが武力行動かとか、どっちが先か、って判断も微妙になることがある

わけで、結果的には双方が銃器の使用までして数十人の死者が出たのだか

ら、プーチン大統領側の判断にも少しは理屈があるのだ。

どんなレベルでも武力を使ってしまうと、それは戦争を始めるきっかけに

なるのだから、双方がそれに慎重になる必要があるのだし、常にデモなら

意志表示を見てもらい、そこから次の策への話し合いや判断をしてもらう、

ってことが一番の目的であるべきなのだ。

だから、今のウクライナにおける戦争も、西側が単純に悪の侵略国から祖

国を守る正義のウクライナ、って構図で済まし戦争継続を支持し支援する

のは間違いで、戦争そのものの不毛さを認識して、双方に停戦交渉を勧め

たり仲裁に骨を折るべきなのだ。

わが国も先日内閣が、国防のために敵地攻撃能力を保持する、ってことを

決めたことに対して、国民の過半数が賛成してるらしいことを、東大のな

んとか、って名誉教授が自身も当然のことだ、って言ってる新聞コラムを

読んだんだけど、それによると、ロシアがウクライナにしたような軍事侵

攻を、日本の沖縄あたりの小さな島にされた時には、反撃しなければ、そ

この島民を見捨てることになるから集団的自衛権だって必要なんだ、って。

この論理の少しおかしいところは、日本は現在のままでも反撃能力が皆無

じゃなくて小さな島にそんなことが起これば、自衛隊が行けば済むことだ

し、ロシアとウクライナの関係だって、ウクライナがNATOに加入するよ

うな兆しを危険視したロシアが行動を起こしたのであって、その教授が言

うような軍拡をすることが逆に中国や北朝鮮からの敵視を誘うことになる

のだから沖縄周辺の危険性が増すことになるのだ。

こちらが他国を敵視したそういった軍拡をすれば、相手国の方も同じくこ

ちらを敵視することになるのだから、戦争をしないためには、常に相互の

友好外交に徹する以上の国防はないのだ。




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