1/30のしゅちょう
            文は田島薫

(戦争を止める方法、について 39)


ドイツのショルツ首相がウクライナに供与するかどうか迷っていた戦車は

米国のバイデン大統領もそれを供与する、ってことで自国で保持するそれ

の20分の1ぐらいの数量で同調することにしたらしい。そういった西側の

動向に呼応したのか、ポーランドや英国も戦車の供与をすることになって

来て、ゼレンスキー大統領は感謝をしめしつつ、それの量とスピードがウ

クライナの勝利に不可欠だ、って言ってる。

一方、攻撃を継続してるロシアの方は、民間軍事会社の傭兵が数千人死亡

してる、って西側の情報もある中、本格的攻勢はこれからで必ずロシアが

勝利する、って言ってるし、ロシアとの親善外交したわが国の森元首相も

ウクライナが大国ロシアを負かすことは不可能だ、って言ってる。

わが国の岸田首相は、唯一の核兵器被爆国や平和憲法に基づいた立場から

独自の積極的和平提案なり仲裁努力をすればいいものを、米国と同調して

ればいい、って態度で敵地攻撃能力保持を含めた軍備拡充を議会にもかけ

ずに独断で決めてしまい、対外的緊張状況を自ら作ってる。

西側諸国の立場では、ゼレンスキー大統領の主張に沿って彼の責任の元、

ウクライナ主体で、本格介入してない形で支援して、あわよくば、ウクラ

イナが国際ルールを無視して侵攻したロシアを撤退させることができれば

それに越したことはない、って考えてるんだろう。

ウクライナが悪のロシアに反撃しての国土を守る、って合言葉は正当なも

のに聞こえるし、ウクライナ国民のほとんどはそれを信じてるんだろうけ

ど、国土、って何だ?って言えば、ひとつの国のそこで生活する人々の土

地、ってことになるとしても、歴史的には、世界の国々は分割されたり独

立したりを繰り返して今日に至ってるわけで、祖国、ってもんがずっと固

定された不同のものではなかったのだし、祖国で一番大事なのはそこで暮

す人々の幸せ、ってことのはずなのに、土地そのものを守るために、強制

的に戦争に参加させられて、日夜双方の国の人々の命が危険にさらされる、

って状況が正しいわけはないのだ。

とりあえず、2つの世界大戦を経て、もう侵略のようなことはお互い止め

ようじゃないか、ってことで国際連盟や国際連合が作られた中、今だに各

国は西も東も軍拡競争のようなことを止めてないわけで、いつも、お互い

に侵略される不安をかかえてるので、やられる前にやっつけちゃおう、っ

て意志を持ちやすくなってるので、そういった危機感を感じる状況になれ

ば、どこの国もロシアのような行動を取る可能性はあるのだ。

祖国を守る、ってような美辞麗句に酔って正義を謳うほど世界の国々はど

こだって立派な立場にあるわけじゃないのだから、ロシアが間違いを犯し

たのだとしても、悪、って切り捨てるんじなくて、当事国や周辺諸国だっ

て協力して一応それを受け入れてからその事情を聞いてあげたり妥協案を

提示したりの努力をするのが人類の平和への段取りなのだ。




戻る