1/16のねこさん 文は田島薫
うっしーに負けないむん
週末の午後だったか居間にいると、ねこさんの言い合う声が聞こえた
んで、またニケとうっしーかな、って思って見回すとベランダにはニ
ケがいて下を見てるし、パネとバットは庭の道路ぎわんとこでこっち
の庭の中の方を見てる。窓から見てみると、ヤマモモの木の下でむん
とうっしーが顔を突き合わせて、言い合ってる。こういう場合、ニケ
は悲壮な声を張り上げて虚勢を張るし、パネの場合はだまって状況を
見てて、スキがあったら逃げようと思ってる風情なのが、むんの場合
は、落ち着いてていいタイミングで強い声を出すんで、うっしーの方
も少し困ってる風。
ここんちにいるこいつらのごはんを食いに来たら、こんなとこに、ま
だこいつらのひとりがいたのか〜、ごはん食いにきたおいらになにか
もんくあんのかー、おっと、こんにゃろー、だって?、こんにゃろー、
って言ったのか?、こんにゃろー、あり?また、こんにゃろー、って、
言ったのか?こんにゃろー、ざけんなよ、なに?ざけてんのはおまえ
だ、って?ん〜ん、たしかに、そ〜かもしれないから、こまった、だ
けど、おいらははらへってんだ、なにかくわせろっ!なに?だめだ、
って?じゃ、なにか、くわせておねがいっ、…っておいらが言うわけ
ないだろっ、ざけんなよっ。