1/10のしゅちょう 文は田島薫
(戦争を止める方法、について 36)
先週末のロシアから提案された何十時間かのクリスマス停戦も、砲撃の応
酬をお互いにやってたようで、ウクライナ側は、ロシアが自分から停戦を
破って砲撃して来た、って言うし、ロシア側は、ウクライナ側からの攻撃
に反撃した、って言ってる。
ゼレンスキー大統領は、プ−チン大統領からの停戦提案を、ズルイ魂胆が
あってのことだろう、ってハナから信用してなくてそれに応じない態度を
とっていたのだから、ロシア側が先に攻撃して来た、って主張も本当かど
うかわからないし、もし、本当だとしても、ウクライナ側は提案を受け入
れてないのだから、停戦合意ができていたことにならないわけで、ロシア
側をいつも嘘をつく悪いやつら、ってように表現するのはいかがか。
年末年始に渡っても、インフラを攻撃されたウクライナ国民は寒さに震え
ながら、ロシアとの妥協による和平より、ウクライナの勝利による和平の
ための戦争継続を望む、って国民が85%もいるそうだけど、戦争状態にな
って家を壊され、身内を殺されたりした人々は、平和な暮しを望むより恨
みの方が増大した異常な精神状態になってるのかもしれない。
戦争が始まれば、双方の指導者は自国の正義を宣伝し、敵を悪と決めつけ
国民もなんだかその気になるし、その気にならない人々も、それに異論を
表明することがしにくい空気を全員が感じてしまうのは、わが国の戦時中
に皆が経験したことなのだ。
西側諸国は挙って、ロシアの国際ルールを無視した軍事侵攻を批判してる
のは当然のことだろうけど、だから、そういった国とは話し合いをせずに
軍事対決をして敗北させなければならない、って発想は教条的過ぎるので
はないのか。
国際連盟、国際連合、とそれまでの侵略戦争を止めよう、ってルールを作
ったので、それを破った国は悪の国、って断定は一理あったとしても、そ
れまでの歴史で、国際連合の加盟国の西側の国々は散々他国を侵略して、
その国の富みを盗んだ前科者たちなのであって、それを保持したまま、こ
れからはそういう侵略はしてはいけないことにしよう、って決めただけの
ことなのだから、その後のロシアのような軍事侵略した国に対して批判す
るにしても、元々じぶんらはずっと正義の国だった、ってような態度で、
ロシアを悪の極めのように切り捨てるんでなく、もっと謙虚に、プ−チン
大統領の意見も拝聴して双方の妥協点を模索するぐらいの調停を各国が挙
ってするべきなのだ。
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