1/10のねこさん 文は田島薫
うっしーたたずむ
今朝、顔を洗った後、燃えるごみを持って外へ出て家の前の陽の当た
る坂を上がって下をながめたら、となりの家のフェンスのはじっこに
うっしーがなんとなく立ち止ってなにか考えてる風。私が道路をチェ
ックした後、ゴミ袋を持ってそばを通る直前、郵便やさんが自転車で
来たもんであわてて、そばの車の後ろへ隠れた。
さて、どっかで朝ごはん食いたいんだけど、おいらはじぶんでなんと
かしなくちゃならないんだよな。そこの家にいるあいつらはいつもご
はん出してもらってるし、向かいのおねえさんにももらってるみたい
なんだけど、おいらは、そいつらのおこぼれを勝手にいただいてる、
って生活なもんで、なんとか、あいつらみたいに、だれかがやさしく、
いらっしゃい、いつもごはんあげるからね、って言ってくんないかな、
つってると、あっちでおいら見てるあいつ、もだめだよな〜。