7/19のしゅちょう
            文は田島薫

(戦争を止める方法、について 10)


このほどロシアも含めたG20の会合があって、ウクライナとロシアの停戦

についても共同声明を出そうとしたのが、西側と東側の意見の違いでどう

にも一致させることができなかった、ってことだった。

現時点で毎日、大の大人たちが仕切る国と国が戦争をしていて、双方の国

民(ロシア側は兵士だけにしても国民は国民)同士が憎しみ合う気持もな

いまま殺し合いをしていて、その殺し合いの間に、わざわざ元々はなかっ

た双方が相手側に感じる憎しみが増産され続けてるのだ。

前線で戦う兵士たちには、相手の憎しみが戦う意志にもなるだろうから、

兵士たちを戦わせたいリーダーたちにとっては好都合なのかもしれないけ

ど、その兵士たちは同時に、単純な憎悪だけで済まない戦う理由への曖昧

さの空しさや、いつ自分が死ぬかもわからない恐怖心や、身内の死への哀

しみや、自暴自棄な気分や数々な思いが錯綜してるに違いないのだ。

こんな理不尽な状況は即刻終了したらいいと思うのは、一般の人々の普通

の気持のはずなのに、それができないのはなぜか、って言うと、ここで何

度も言ってるんだけど、自分の身の安全を保証されてるリーダーたちが、

そのとりまき学者や軍事専門家や軍事産業界の無責任な戦闘遂行必要論に

安心したりして、目的を貫徹するまで妥協しない、などと双方が、眉間に

皺を寄せた苦悩の素振りを見せながら呑気なのがいけないのだ。

毎日人為的に失われる人々の命についてもっと重大視して、それを最優先

に各国が停戦を訴えたり説得したら、ロシアもウクライナもそのことには

異論がないはずなんだけど、それがそうはいかない理由は、双方の支援国

特に米国を代表するバイデン大統領のように、プ−チン大統領を悪人、と

切り捨てるような西側の態度は、双方の停戦交渉の足を強力に引っ張って

るのだ。

まず、ロシアを悪、と断罪して、徹底交戦でそれをせん滅させるのがいい

だろう、って思ってる西側諸国のリーダーたちは完全に間違ってる、って

言わざるおえないのに、それを指摘する者がみあたらないのは、日本に限

らず欧米も、政治家は様々な権力や権益集団への忖度をしてしまうせいか

もしれない。

日本を含めて西側は、中国やインドなどのようにロシアへの敵視を避ける

態度を取り入れて、和平交渉の糸口をつかむ努力をすべきなのだ。

日本の有能政治家も、是非それを率先でやるべきなのに、その志しを持っ

て行動できる政治家はいないのか。




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