6/6のしゅちょう
            文は田島薫

(戦争を止める方法、について 4)


前回は進行中のウクライナでの戦争を止めるための常識的な正論みたいな

ことを書いたんだけど、現実的に感情的になってる当事者たちにそれを順

繰り話して共感してもらおうとしても難しいなら、ここで、もっと物事を

単純化して判断しやすくしてみたいと思う。

まず、仮に双方が停戦を第一の目的として、他の様々の要素をとりあえず

保留にしてやってみるとする想像実験。

戦場ではまず、双方が攻撃をやめる。窮地にある方はすぐに全員降伏して

敵側からの医療や食料援助を受ける。

停戦を第一目的なのだから、大統領同志の交渉では双方ができるだけ妥協

する。折り合わなかったら、どちらか一方がより妥協する。

その際に、双方の国民の命をより大切にする方策は共通の条件項目にする

が、そのことに反対はありえないだろう。

その上で妥協が、今後、ウクライナ西南部のロシア支配を認めるとなった

場合の政治経済的な運営をどうするかを話し合う。

ウクライナ側が妥協をしてるのだから、ロシア側が一方的に自国の権益の

みを強くして、ウクライナ側を隷属的立場にするんであれば、戦闘再開、

ってこともカードにしてもいいとして、その場合、また毎日双方の国民の

命が失われ続けてもいいのか双方が考える。

ゼレンスキー大統領は、プ−チン大統領を、憎悪と敵意だけで見ず、侵攻

に至った理由に耳を傾ける。憎悪と敵意だけで戦闘を続ければ、ますます

停戦交渉が難しくなる上に、双方の犠牲者や施設の破壊が進むだけだし、

勝利を信じて戦い続けるのは双方が同じ立場なのだし、戦争そのものが今

や絶望的に空しい行為だ、って世界が自覚するべき時なのだから。

耳を傾けて、腹を割って、双方の国民の幸福を願う気持を共感しあうこと

ができれば、自分の侵攻を正当化したいプーチン大統領も自国民の幸福だ

けを考えて、ウクライナ国民を不幸にするような対処は提案しないはずだ

ろう多分。とりあえず、保証のない勝利を信じて住む場所や命の危機を拡

大する戦争を続けるのでなく、NATO加盟などにこだわるのもやめ、腹を

わった交渉をして少しづつ平和共存を目指すのがいいのだ。




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