●連載
虚言・実言         文は一葉もどき


横浜が縄張りの元タウン誌ライター。
貧しさにもめげず言の葉を探求し、人呼んで“濱の一葉”。
ウソ半分、ホント半分の身辺雑記を綴ります。
今回は、もどきさん、ドクダミの新種発見か。



町を歩けば 2


ライン仲間のAさんから

”散歩をしていたら、5弁のドクダミを見つけました! ラッキー!!”

というコメントとともに、5枚の白い花びらのあるドクダミの写真が届いた。

確かに花びらが5枚。

ドクダミの花と言えば”白い十字の花”と決まっていたのに5枚は珍しい。初めてだ。

よく四つ葉のクローバーは見つけると幸運と言われるので、同じようにドクダミも5

弁の花は希少価値でラッキーかもしれない。

早速私もこの幸運にあやかろうと、お使いのついで、散歩についでに、道端や空き地

のドクダミに目を凝らす。

ドクダミは生命力が強い。空き地があるとたちまち繁殖をするので、花盛りのこの季

節、どこでも見かけるのだが、匂いもきついし、あまりにも繁殖力がつよいので、雑

草として、どちらかといえば嫌われ者である。

だが、ドクダミ茶にすると薬効があるので馬鹿にはできない。

私は今まで何気なく見過ごしていたドクダミの花。白いシンプルな花も、群生した様

も美しい。

5弁の花びら…5弁の花びら…そして…

探すものである。 なんと! 見つかったのだ! 公園の片隅で! それも5枚では

なく八重といっていいくらいたくさんの花びらがクシュクシュとついた珍しいドクダ

ミの群生が!

早速写真にとって自慢しようと思ったのだが、しげしげと見てなんとなく気落ちした。

珍しいことには変わりはないクシュクシュのドクダミだが、どう見ても、花びらは5

弁に比べて美しくなく小さく迫力がない。見てて有難味がないのである。

ドクダミの花は、やっぱりきりっと十字の花が良いと思った。


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