12/5のしゅちょう
            文は田島薫

(戦争を止める方法、について 30)


ウクライナでは厳冬期に入り、ロシア軍によるインフラ設備へのミサイル

攻撃は継続中なもんで、国に留まってるウクライナ国民は、寒さに震えな

がら食料やトイレにも不自由な生活に耐えながら、いつまで続く戦争なの

か不安の中で、テレビ取材受けた中年女性などは、早く戦争がウクライナ

の勝利で終わることを望んでいる、と言った。

ウクライナが奪還したという場所でも、住民はそこで行われたロシア兵に

よる身内や住民の殺害を嘆いたり怒ったりしている。

西側諸国の他、ロシアの軍事侵攻にある程度理解を示す東側諸国も、ウク

ライナ東部3州の強硬な併合は認めない、って言っている。

ところが、プ−チン大統領のロシアは、撤退や敗北を認めるつもりはない

ようで、兵員を集めたり、撤退した州都のすぐそばの川の反対側で結集を

しながら反撃の機会をうかがいつつミサイルを撃ち続けてる。

ロシアの軍事侵攻は現在の国連などでの国際ルールを破ってるのだし、そ

れを認めることは、今後、周辺諸国へのロシアからの軍事侵攻も可能にす

ることになるから絶対認めてはいけないのだ、って主張には理があるにし

ても、現実にそれを無視した独自の理による正当化で軍事攻撃してるロシ

アがある以上、それに反撃して打ち負かせるのがいい、って、理想を言う

のは簡単なんだけど、前線で死んで行く人々は仕方ない犠牲だ、って言っ

て済ますのは、自分の命に危険がないものたちだけだろう。

前線でいつ死ぬかもわからない厳しい環境で生活を続ける人々や、双方の

兵士は、それぞれを正当化する戦争の理由を自分に言い聞かせて頑張って

るのだろうけど、その正当化について、ウクライナ側のそれは絶対の正義

だ、って言い切れるのかどうかは、他国への軍事侵攻は許されない、って

言葉をだれもが重視してるからで、それを重視できたら、とりあえず世界

の平和バランスは守れそうなんだけど、それがこれまでも時々守られて来

なかったんだし、西側諸国だってついこの間までその加害者側にいたわけ

で、最近になって、急に、それは許されない、って怒っても、前科者の発

言として説得力は薄いのだから、その軍事侵攻は是非止めることにしたい、

って希望を世界が共有するためにもっと、謙虚に、今回のプ−チンさんの

行動はどういうつもりだったのか、敬意をもって拝聴するぐらいの態度で、

言い分を調停する努力を各国が協力して進めるべきだろう。

北朝鮮や中国だけでなくわが国も含めて、国防国防、って言いながら兵器

開発や導入をしてるのは、他国に威しをかけてるのと同じなんであって、

威しのまま終われば戦争にはならないのに、それに危機感を感じた方が防

衛のためだと小さな軍事攻撃を始めた時に戦争は始まるのだ。




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