12/12のしゅちょう
            文は田島薫

(戦争を止める方法、について 31)


ウクライナに侵攻してロシアに奪われた国土を統べて奪還するまで戦争を

やめない、って言うゼレンスキー大統領に、それを支持して兵器支援する

西側や、自国に同様の侵攻を恐れる東側のいくつかの国の賛同、一方、ウ

クライナ国内の親ロシア派住民を助けるためだと言うプ−チン大統領に、

それを支持する親ロシア派の国々と、それぞれ消極的であっても戦争継続

を容認してるため戦争はいつ終わるのかわからない。

それぞれが正当性を信じてる形なので、それに正面から反対することが難

しいということで、結果他人事として処理されているらしい戦争によって、

ウクライナ国民の施設や命が失われ続けてるわけだけど、それだけでなく、

ヨーロッパでのエネルギー不足やアフリカでの食料不足で億単位の人々の

飢餓の危険があり、世界中に物価高騰と厳しい生活苦の人々が増産されて

るわけで、一体、このウクライナの戦争の正義、ってもんはどこにあるの

だ、って考えると、どうも、世界の一部、特にじぶんに生活や命の危険の

心配がない層の、常識的愛国観念、が目を曇らせてるのではないのか。

祖国や国民の命を守るため、って言うと、美しい響きに聞こえるんだけど、

一番守るべき大事なものは、国民の命のはずなのに、戦争をすればするほ

ど双方の国やその他の国のその命が失われて行くのだ。

こう言うと、ウクライナの愛国者や、西側やロシア周辺各国の大勢に批判

されるかもしれないんだけど、例えば、ウクライナの東部4州をロシアに

くれてやったとして、このまま戦争を続けるのに比べてどれだけの弊害が

あると言うのだろう。

併合された4州の住民は全員ロシアの奴隷にされるわけはないのだし、ロ

シア主導で行われた9割以上の併合賛成した住民投票の結果が本当なら、

親ロシアの地域として住民にとってもわるくないことのはずなのだ。ただ

ハナからその住民投票の正当性を否定するウクライナにとっては、受け入

れがたい、って気持はわからないことはないし、武力侵攻で国土を奪う、

ってことを認めるわけにはいかない、って筋もわからなくはない。

しかし、現実は戦争が進行形であり、それが拡大する可能性もある中、一

番大切な、言ってみれば世界の人々の命を守るために、ロシア側との交渉

で100歩譲るぐらいの決断があってもいいはずなのだ。

その際に、住民投票をウクライナも立ち会ってやり直すとか、プ−チン大

統領の善意を信じられれば、今後の同様の軍事侵攻を防ぐための条約だっ

ていくらでも結べるはずだろう。




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