●連載
虚言・実言 文は一葉もどき
横浜が縄張りの元タウン誌ライター。
貧しさにもめげず言の葉を探求し、人呼んで“濱の一葉”。
ウソ半分、ホント半分の身辺雑記を綴ります。
もどきさん、野鳥のいろいろなながめを楽しんでます。
心は外へ 2
私は体も心も引きこもりにならぬように散歩に出かけることにしている。
今住んでいる所から、左へ行けば篠原池、右に行けば白幡池と、散歩コースに事
欠かない。
どちらも何度も行ったのだけど、空、木、池、草、土などどれを見渡しても、そ
の日の自然がおりなす状態で微妙に様子が変わっていて、飽きることはない。
今の季節、木の間をセキレイやシジュウカラが飛び交っている。
池には鴨などの水鳥が生き生きと泳ぎ回っている。
そんな様子を眺めていると、自然を成すひとつひとつがそこに存在しているだけ
で、精一杯さまざまな生き物を育てて、それぞれの役目を果たしていることに今
更のように納得するのだ。
ふと見ると、ベンチに座っている人が何か餌を蒔いたらしく、周りに鳥がたくさ
ん群がっていた。
鳩ではない。遠目にはてっきりスズメかと思って近づいたら、なんと羽根柄がス
ズメに似たカモだった。カモって人から陸に上がり群がって餌など貰ったっけ?
カモがスズメ化した?
この人懐こいカモに驚いた。
そういえば最近、スズメを見かけない。
テレビで、スズメが町の都会化によってめっきり減ったと報じていた。
”われときて遊べや親のない雀”の句はもう詠めないのだろうか。
寂しいことである。