9/6のねこさん       文は田島薫

よそものとらさん


きのうの夜中、外でねこさんの叫び声が聞こえたんで、外へ出てみると、

庭の向こうの道路にパネとニケがいて向いのアパートの前の自転車置き

場の屋根の上にむんがいてそばの窓のおねえさんからなにかごはんもら

ったらしく足下に小皿があったんだけど、どっかを見て固まってる。

道路のパネもなんとなくどっか見てるし、貯水タンクの下のバットもな

んとなくどっかを気にしてる風、窓からおねえさんが顔出して、どうも

むんとだれかとけんかになりそうだった、って。で、あらためて、みん

なが気にしてる方を見てみると、道路のちょっと離れたとこによそもん

のくろとらさんが立って固まってる。しばらく見てると、小走りにアパ

ートの駐車スペースの奥の暗がりへ逃げて行った。


あいつらいつもだれかにごはんもらって食ってやがってて、い〜よな〜、

じゃ、おいらも、ってそば行くとすぐ大声出すんでまいっちゃうんだよ

な、おいらはただ、ちょっとごはんわけてくんないでしょ〜か、つって

るだけなのに。おいらも、そ〜大あばれしてなにがなんでもごはんをふ

んだくってやるんだ、ってつもりはないんで、こらっ、って言われたら、

一応退散することにしてんだけど、だれか、はなしのわかる人いないか

な、お、だれか出てきた。ごはんわけてやれよ、って言うかもしれない

から待ってみよ〜、ん〜ん…ちっとも言わないね〜


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