8/9のしゅちょう
            文は田島薫

(核兵器禁止条約と日本、について)


核兵器の開発と製造と使用を禁止する核兵器禁止条約が今年1月から発効

したんだけど、世界で唯一の核兵器被爆国のわが国はそれの批准をしてい

ないことに、世界じゅうの国々は違和感を感じてるに違いない。

安倍首相から引き継いだ菅首相も、広島被爆記念日で、それの批准をしな

い理由として、核保有国と非保有国との断絶を深める怖れがあるためで、

その状況の橋渡しの役割をしたいのだ、って言い訳を言った。

核兵器禁止条約に賛成してる国々はすべて非核保有国で、核保有国やそれ

の核の傘に守られようとしてるヨーロッパや韓国などは参加してないのだ

から、それといっしょだ、って言いたいのかもしれないんだけど、日本は

世界でただ1つそれの悲惨さを実体験してる国なのに、最終的にそれの使

用を認める、って立場は非常に不可解な印象をもたれるだろう。

自民党政権以外でも、その批准に反対する者がいてその意見は、核抑止力

を放棄すると、北朝鮮や中国やロシアの核や核武装するテロ組織の脅威に

さらされることになるから、核兵器禁止条約は参加しないで、抑止力を保

ったまま、北朝鮮などの核兵器の放棄を迫るべき、って言ってるんだけど、

核兵器の脅威の大本は実際にそれを使用した前科を持ち、将来も戦略的核

兵器の使用はいいんじゃないか、って公言したり現実にそれの計画まで否

定してない米国であり、北朝鮮、イランなどが核開発を止められない理由

はそこにあるのだ。

そこへ持ってきて、米国のように自分じゃ核をたっぷり保有したまま、い

つでも必要なら使用する、って脅しをかけて、他国に核の放棄を迫る、っ

て主張が通るわけはないのだし、それといっしょになって、例えば、先制

核攻撃の禁止を決めようとした米国に反対するような自民党政権が、米国

を敵視する核保有国の核放棄や核兵器禁止条約賛成国との橋渡しなんてで

きるのだろうか。

核兵器については米国ときっぱり手を切って、核の傘はいらない、って世

界に宣言してこそ、橋渡しの一歩に実効性が出て来るのでは。

身を捨ててこそ浮かぶ瀬もありでやらなければ、いつまでたっても米国の

子分のままだし、反感とテロの脅威だってなくならないんだから、ここは、

自民党政府、できれば英断して核廃絶のリーダーを目指そう。


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