映画だ〜い好き 文は福原まゆみ
尾形映画プロデューサーの友人が仕切る映画制作会社で働く映画好き女史が
エッセーを連載してくれてます。
映画女史、自分を叱咤激励して頑張ってるようです。
【映画制作資金】
映画はお金がかかる。小さな映画でも製作費は何十万、何百万とかかってしまう。
かかっていないのは、必要なもの(人材も含め)を身近なところで調達しているケー
スだろう。私も随分ノーギャラで働いたなぁ。今でもか…。
最近はコロナの影響もあってなかなか製作資金を集めにくくなっている。反面、政
府の助成金は増えてきており、新しい情報がSNSなどで飛び交うと、皆飛びついて
申し込む。ところがなかなかうまくいかないものだから、「申請書類が面倒だ」と
か、「いつも落とされるから本当は支援する気がないのだろう」とか、「大きい組
織にしか助成金は下りない」とか、文句の大合唱。「それも含めての映画作りなの
だよ」と、負け犬の遠吠えに対する勝ち組のお返しも憎たらしくて面白い。
小さな映画祭に申請を勧めても、東京国際映画祭みたいな大きな映画祭しか通らな
いと決めつけてトライもしない。決め手は組織の大小ではないのにな。応募者/団
体がどれだけ信用できるものなのか、過去の実績はあるのか、本当に企画を実現す
る気があるのか…。つまりは信用できるかどうかが問題なのだ。お金を貰うだけも
らってトン面かます輩がいるのだから。どこの骨ともわからない人/組織に貴重な
税金から助成金は出せない。当然だ。だから申請書類はしっかり信頼を勝ち得る様
に書かなければならないのだ。面倒臭いなんて言ってないで、ラブレターを書くぐ
らいのつもりでいなきゃ。
東京国際映画祭だって毎年もの凄い書類を作成している。そして何より公益財団法
人なのだ。この法人格を得るために、どれだけ大変な手続きを踏んだことか。公益
財団法人格を得たと言うことは、既に大変な手続きをして政府からのお墨付きをも
らっている証なのだ。そんなお墨付きもない組織は、申請書を通して必死に信頼を
勝ち取る努力をしなければならない、ってこと。な〜んて自分に言い聞かせながら、
今日も書類とにらめっこしている。