2/1のねこさん 文は田島薫
逃げるパネ
ブラシを持って近づいて行くと、むん以外のねこさんたちはみんな歓迎ムー
ドで待っててくれたもんなのに、このごろパネは逃げることが増えたような
んだけど、私がそれをやる時はたいてい家人が出かける時、パネが家人を追
いかけるのを止めるためで、ど〜も、じぶんはめくらましされてるんだと気
がついたようで、先日も家人が近所のこっこちゃんちへ行くために家の前の
坂を登って行くのを見たパネが追いかけそうなんで、私がブラシ持って追い
かけ先まわりして坂のわきの丘に入ったパネが冊から出られないように、出
口に立ちふさがったのだ。パネは出口から出ようとして、ブラシと私を見て
から、あきらめたように、向きを変え毛づくろいを始めた。
あ、おばさんが出かけて行く、大変だ大変だ、ごはんくれる人が出かけたま
ま帰って来ないと困るから見張りに行かなくちゃ。こっちかー、とととと、
と、さてこっから外へ、って思ったら、こんにゃろめが例のもん持って立っ
てやがるね〜、あれでぼくをおさえつけよ〜、ってつもりなんだよな、まっ
たくやなやろーだよな、ここで、無理に出ようとすっと、しつこく毛をこす
られてうっとーしーからな、それに、ぼくがそれをいやがってあばれるよ〜
なことすんのも、また角が立つしな、こんにゃろめだって、そ〜わるいやつ、
ってわけでもないんで、ここは、何事もなかった、ってことで、ひとつ。