11/29のねこさん 文は田島薫
新人ウッド
先々週か、庭で遊んでた子どもたが、茶色いねこがいた、って騒いでた
んだけど、先週の中ごろと週末ごろわが家にそれが顔を出した。
まだ大人になる少し手前の薄茶色の毛でやせたねこさんがおずおずとベ
ランダの階段を上がって来て、探るようにこっちを見てるんで、腹へっ
てるならそこのごはん食っていいよ、って目で言ってやると、安心した
ようにせっせと長いこと言われた通りにしてから、食い終わってすぐ帰
るのかと思ったら、こっちをじっと見ながらなにか考えてて、そばにあ
る段ボールのキャットハウスに興味を持ったようにぐずぐずしてから、
いつのまにか出て行ったんで名前をつけてやった。
ここはたいていあちこちにごはんがあるんで腹へった時は思わず来ちゃ
うんだけど、いつも騒いでるちっちゃいにゃんげんたちや、でかいにゃ
んころたちがいるんで来にくいんだけど、きょうはめずらしくだれもい
ないね〜チャンスだね〜、こ〜やっていつもだれかいる場所をさっさと
歩いてってここを上がってくと、さ〜食ってください、って言ってるご
はんがあるんだよね、でも、あっちの奥にだれかいてこらっ、って言わ
れた場合は逃げなくちゃならないから、そいつにみっからないよ〜に、
そ〜と、向こうを見てみると、向こうもこっち見てるね〜、こらっ、っ
て言うのか、こらっ、…言わないね〜、じゃ、い〜ってことなんだね、
ほんとだね、大丈夫なんだね、じゃ、いただきま〜す。